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2025.05.22

鮮魚情報

水産業界用語 玉冷 について

玉冷(たまれい)という言葉を聞いたことがありますか。

玉冷と呼ばれる冷凍貝柱は殻から11つ丁寧に外した貝柱だけを急速冷凍した生食用のホタテで、水産業界においてよく使われる業界用語です。下処理する必要がないので、すぐに調理できるのも特徴の一つで生食でも加熱しても美味しく楽しめます。その便利さのゆえに、国内外においてとても人気です。

 

一般的にホタテの旬は年2(5-8月、12-3)ありますが、玉冷の製造は産地ごとに漁獲した原料をまとめて選別・製造が始まりますので、例年は6月以降、10月以降に新物が出てくるイメージですが、水揚げや相場状況、人手不足などの要因によって近年は品薄状態になっています。前述したように国内外の需要が高まり、製造した後でも商品の取り合いになっています。20238月に中国政府がALPS処理水の放出をめぐり、日本からの水産物輸入を停止したため、一時期玉冷の行き場がなく、漁業関係者が悲鳴を上げる事態が起きていましたが、現在は国内外では品薄の状態になっています。

 

玉冷には様々なサイズがあります。

ホタテの日本の2大産地、と呼ばれる北海道と青森県は、それぞれ異なる特徴を持った産地であり、天然物と養殖業が盛んに行われています。

 

北海道のオホーツク海に面する猿払村と別海町は天然のホタテ漁が盛んで、潮の流れが激しく、北オホーツク海の流氷と共にやってくる大量のプランクトンがホタテの成長に適した環境です。水温の低い場所で育つため、人に例えると筋肉質なアスリート体形になり、大ぶりで肉厚、歯ごたえのある食感が特徴です。

 

噴火湾は北海道の南部に位置する湾で、特に、垂下式養殖(すいかしきようしょく)という方法が多く使われており、海中に垂れ下がったロープにホタテの稚貝を付けて育てます。この方法により、均等に育った高品質なホタテが生産されます。

 

青森県は北海道と並ぶホタテの生産地であり、養殖においても垂下式養殖が主流です。陸奥湾の水温や海流はホタテの成長に適しており、特に甘みが強いことで知られています。養殖ホタテは比較的温暖な環境で育つため、身が厚くてしっとりとした食感と濃厚な甘味が楽しめます。

 

皆さんもホタテを食べるときに、ぜひ特徴を気にしながら食べてみてください。産地を当てられるかもしれませんよ、、、?

 

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