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2023.11.30

医療ニュース

セカンドオピニオン~手術に関する貴重なアドバイス~

先日、大連板橋医療器械有限公司の医療プロジェクトチームである「瀛の医療」に、ある16歳の心臓病患者(Lさん)のご両親からご相談をいただきました。

Lさんは、5歳の時に「先天性大動脈二尖弁」という、心臓の弁が開きにくくなり、血液の流れが妨げられてしまう病気と診断されたそうです。その後、経過観察として定期的に心臓エコー検査を行っていましたが、大動脈弁狭窄は軽度から重度まで進んでいたことが判明。12歳の時に経皮的バルーン大動脈弁形成術(PBAV)を行いましたが、それでも進行は止まらなかったとのお話でした。

近い将来心臓手術を受けなければなりませんが、Lさんは現在高校2年生。来年大学受験を控えているので、なんとか手術を先に延ばしたいというのがご両親の希望です。

この病気には本当に手術が必要なのか、そうでない場合、どんな方法が最善なのか。 もし手術なら、どのような手術になるのか。その場合、開胸手術或低侵襲手術になるのか、手術のタイミングはいつなのか。もし弁置換術なら机械弁或生体弁なのか。たくさんの疑問と不安を抱え、日本の医師のセカンドオピニオンを受けたいという一心でのご依頼でした。

瀛の医療チームは、まず患者様の状態と希望をお聞きし、中国の検査治療データを纏めて翻訳、医療情報提供書を作成。そして、順天堂大学病院 循環器内科の代田浩之先生をお招きし、1020日にオンラインセカンドオピニオンを実施しました。

当日、オンラインセカンドオピニオンを通じて、先生より以下のコメントを頂きました。

この病気は加齢とともに徐々に悪化する傾向があり、最新の心臓エコー検査によると、Lさんの大動脈弁狭窄は既に重度の状態です。まだ明らかな症状は現れていませんが、近いうちに症状が現れる可能性が高いと思います。今後の治療指針ですが、16歳だと成長・発達が安定する傾向があり、心臓など臓器の大きさも基本的に成人に近いため、具体的なアドバイスは次のようになります。

  • 手術について

Ⓐ.手術の時期:長くても12年以内に手術が必要となります。

Ⓑ.手術の種類と方法:開胸手術により大動脈置換術。

Ⓒ.置換弁の種類:患者様の年齢、将来の生活を考慮して生体弁を勧めます。

  • 今後注意すべきこと

Ⓐ.この病気で最も怖いのは、突然心不全や昏睡状態に陥る可能性があることです。もし、意識朦朧、息切れ、倦怠感などの症状が現れたら、すぐに病院に搬送してください。

Ⓑ.残念ながら、今の医学では病気の進行を遅らせる方法はありませんが、急激な変化の防止のため、激しい運動をしないように注意してください。

セカンドオピニオンを通じて、Lさんのご両親はようやくご本人の病状と手術の懸念を明確にすることができました。そして、近いうちに中国の主治医、患者様ご本人と相談して、治療計画を決める予定です。

このように、瀛の医療では、オンラインにより日本以外からのセカンドオピニオンにも対応しております。もし治療に関する問題で迷い、不安に思う方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度瀛の医療にご相談ください。

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